泡沫の記憶

「寝れた?昨日」



ドキ…

ドキ…



「うん、寝れたよ」



「よかった」



ドキ…

ドキ…



オジサンの声が響くたびに

ドキドキする



「オジサン
名前、呼んで…
…
私の名前…知ってたよね
…
上書きして…
…
オジサンのこと…
もっと好きになりたい」



ドキ…

ドキ…

ドキ…



「…
寝てねーじゃん!
…
聞いてたの?
…
オレの恋話」



「うん…」



「泣きたいぐらい、恥ずかしい
…
胸、貸してくれる」



「いいよ」



泣いたふりをしたオジサンがかわいかった



私の前で小さくなったオジサンを抱きしめた



ドキドキ…

ドキドキ…



「ねぇ、オジサン…
…
ドキドキするよ」



ドキドキ…

ドキドキ…



「うん…聞こえてるよ
…
キミの胸の音」



ドキドキ…

ドキドキ…



「私の名前…呼んでよ…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「…朱夏…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「キスしてよ…」



ーーー



ドキドキ…

ドキドキ…



「好き…柊翔…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「好きだよ…朱夏…」



ーーーーー



さっきまで
私の胸で小さくなってたオジサンに

包まれた



細いけど筋肉質で大きな身体



ドキドキ…

ドキドキ…



でも優しくて温かい



< 267 / 297 >

この作品をシェア

pagetop