泡沫の記憶

私

オジサンのベッドの中にいる



ドキドキ…



「キミ、単純だね
素直っていうか…
まぁ…そこがかわいんだけどね」



ドキドキ…



「これから毎日一緒に寝れる?」



「オレと寝たかった?」



「うん…」



「毎日はちょっと…」



「じゃあ、たまに?」



「んー…」



オジサン眠いかな

明日仕事だもんね



「毎日隣に好きな子いたらさ
オレも我慢できない
…
昨日も、朝も、我慢したし…
…
今日は、無理かも…
我慢できないかも…」



え…



ドキドキ…ドキドキ…



「オジサン…キスしたい」



ドキドキ…ドキドキ…



「ダメ
キスだけじゃ、すまなくなるから…
…
あと
オジサンて呼ぶな」



ドキドキ…ドキドキ…



「いいよ…
…
してもいいよ…
…
柊翔…」



ドキドキ…ドキドキ…



「また
ここに泊まらせてもらってるお礼?
…
それとも
今日オレの誕生日だから、特別に?」



ドキドキ…ドキドキ…



「んーん…どっちでもない
…
好きだから…
好きだから…してもいいよ…
…
柊翔のこと好きだから…
…したい…」



ドキドキ…ドキドキ…



「なに?もぉ1回言って…」



ドキドキ…ドキドキ…



恥ずかしいよ

イジワル



「好きだから…
…
柊翔が好きだから…」



ドキドキ…ドキドキ…



「オレも…
…
朱夏、好きだよ」



ーーーーー

ーーー

ーーーーー



身体が熱くなって

全てを支配される感覚



ーーー

ーーー



好きだから

好きな人だから

全てを委ねる



全てを捧げたいと思う



ーーー

ーー



あの時もそぉだった

同じだった



ーーーーー

ーーー



目を閉じると目蓋の裏に一瞬あの人が映る



ドキン…



ドキドキ…ドキドキ…



ーーーーー



「朱夏…また思い出してる?」



「ん…」



「オレを見て…
オレを見てよ」



「ぅん…」



ドキドキ…ドキドキ…



目の前にいるのは…



「朱夏…好きだよ
絶対、ひとりにしないから…
…
だから…
全部、オレにちょうだい…」



あの人じゃない



「ぅん…」



ーーー


ーーーーー



あの時と同じ



私に触れてくれる

目の前の人が



ただ

好きで



ただ

愛してほしくて



ーーーーー

ーー

ーー



「柊翔…いなくならないでね…」



「うん…いなくならないよ」



ーーーーー

ーーー

ーーーーー



…



目を閉じても

そこにいるのは

もぉあの人じゃなかった



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