泡沫の記憶
別に待ち合わせとかじゃなくて
玄関で咲田と一緒になって
図書館に向かった
毎日並んで歩くのも
当たり前だと思ってたけど
もぉすぐ歩けなくなるかもな…
こんな普通のことが貴重に感じた
咲田は昨日の話とは関係ない話をした
いつもみたいに笑ってる
いつも笑ってて…
いつも笑っててよ
オレの隣で
咲田の髪を風が揺らした
「髪、少し伸びたね…」
「うん
早く伸びないかな」
咲田は恥ずかしそうに髪を耳に掛けた