極上御曹司は失恋OLを新妻に所望する


大地の帰宅を待ってから、おばあちゃんが作ってくれた夕飯をテーブルに並べ手を合わせた。
前回、私が作りすぎてしまったとき同様に、多すぎるかな……と感じていたメニューは伊月と大地によってどんどん消化されていき、無事全部のお皿が空となった。

そして、恒例となりつつある伊月持参のデザートのエクレアを食べたところで、「皿洗い、俺がやる」と言いだした伊月と、「いいのよ、そんなこと」と譲らないおばあちゃんが、結局ふたりしてシンク前に並ぶことになった。

それを横目で眺めながら、縁側に腰を下ろす。

夕食後はなんとなくここに座るのが落ち着く。
それは、小さいころから大地も同じで、よくふたりで並んでたわいもない話をしていたっけと思い出していると、思い出の中の光景に重なるように大地が隣に腰を下ろした。

暗闇の中、池の水が月を映している。

「勉強ついていけてる? あの高校、結構レベル高いでしょ」

うちからそう遠くない公立高校ってなると、かなり限られてしまう。
だから大地も私が通っていたところに入学したけれど、その高校の偏差値は高い方で、私も入学当初は周りのレベルの高さに驚いた記憶がある。

中学では上位だった成績は、高一では中の中まで落ちてしまった。

「余裕。っていうか、姉ちゃんに似て俺も結構要領いいんだよ。それに、自分で頑張ればなんとかなるモンならどうとでもなるし」
「……そっか」

一気に大人になった横顔を見て、ふっと笑みが落ちる。
こんな綺麗な顔している上、強いメンタルを持つ高校男子なんてそうそういない。これは学校でも女子人気が高そうだ。

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