幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
七 東洋の月
私は、いつからかあなたを愛していた。

あなたは人気の舞台俳優。私はあなたに拾われた脚本家。壁はあまりにも大きすぎた。それでもあなたに見てほしくて、必死で頑張ってきた。

でも、あなたの目には私は映らない。出会ったばかりの女の子に私は負けた。ただ悔しくて、自分がこんなにも嫌な女だったんだと思い知らされる。

エヴァが嫌い。何もしていないのに、シリウスさんやみんなから気に入られて、何でもできて、美人で……。

シリウスさんは私に気付いてくれない。ご両親に嫉妬して呟いていた時、私が見ていたことも、私があなたの言動一つ一つに頰を赤くすることも。悲しすぎてたまらない。

あの子がこの屋敷に来てから、何度こっそり泣いたかわからない。苦しくて、いつか自分が狂ってしまいそうで。あの人たちみたいになってしまいそうで……。

私は、この想いをどうしたらいいの?




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