結ばれる運命だから
29


会社に 公表したことを きっかけに


俊樹は 私の部屋に 住み始めた。



それまでも ほとんど 私の部屋で 過ごしていたけど。






俊樹は 両親に ちゃんと話して




ある程度の荷物を 家から持ってきた。




時々 俊樹の家に行って 車を借りていたから。


私は ご両親に 会っていたけれど。




「いい加減な気持ちじゃ ないんだろうな。」


同棲することを 俊樹が 報告した時


お義父さんは 厳しい目で 俊樹に 問いかけた。




「当たり前だろう。落ち着いたら 結婚の準備をするから。」



初めて聞く 俊樹の言葉に 私は 驚いて 俊樹の顔を見る。




「お前、ハルちゃんに 言ってなかったのか?」



私の反応を見て お義父さんは 俊樹を責める。


口を尖らせて 膨れた顔をする俊樹は いつもより幼い。




「断られるかも しれないだろう。」



さらに 俊樹をイジメるお義父さん。



「あっ。いいえ。そんなことないです。」



私は 頬を染めて お義父さんに 答えた。



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