18歳で父になった。




柚子葉と璃苑が祭りに出かけて数時間。




課題も残り僅かになった時にふと外を見るとすっかり暗くなっていた。



時間は19時30分。



かなりの時間集中してたな。
なんて、思いながら少し伸びをするとケータイが光っていることに気づいた。






「全然気づかなかった」






画面を見ると、恋雪からメッセージが2時間ほど前に入っていた。


『今日は夏祭りだけど、柚子葉ちゃんと行くの?』


と。



もしや、これは行きたかったのかもしれない。



悪い事をしたなぁ…。






「はぁ〜…少し休憩するか」






俺は机の上の勉強道具を少し片付けて、恋雪に電話をかけた。


何度かコールがなって、直ぐに『も、もしもし!』と、少し緊張したような声が返ってくる。






「ごめん、メッセージ今気づいた!
夏祭り行きたかった?」






俺がそう聞くと、恋雪はあはは、と少し笑って『うん』と答える。






『もし、暇だったら3人で行かないかなと思ったけどもう遅いよね?』



「あー、俺課題があって柚子葉、璃苑と一緒に行ってるんだよな」



『そ、そうなんだ!ごめんね、邪魔して』



「いや、大丈夫だけど。
休憩がてら少し2人で行くか?」






休憩に恋雪を使うのもどうかと思うが
璃苑から言われたことを実践してみると、恋雪はえっ!?と声が一瞬裏がえる。






『い、いいの?』



「恋雪が大丈夫ならな」



『い、行く!』



「じゃあ今から迎えいくよ」



『あ、わかった!!準備してるね!』






最初の時と明らかに声が変わってウキウキしているのが目に見えてわかる恋雪に笑いながら電話を切った。





そういえば8時くらいから花火だったよなぁ。なんて思いながらボチボチ家を出た。






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