18歳で父になった。




【光司side】




紫苑はバカだ。昔から。



俺は眠っている紫苑の額に、真優達が買ってきた冷えピタを貼りながらそう思う。






「私正直、柚子のこと紹介しなければよかったなって思ってる」






突然そういうのは真優。


紫苑とメンヘラ女の馴れ初めは確かに俺の彼女である真優が紹介したからだ。


でも、真優もそんな子だとは思ってなかったと何度も言っていた。






「恋雪ちゃんはまだ紫苑くんが好きなんでしょ?本当ごめんね」



「あはは、大丈夫だよ
紫苑くんが幸せならいいと思ってるんだけど…」






幸せそうには見えない。と言いたげな顔で言葉を切った花房。


花房は相変わらずずっと紫苑が好きで
紫苑以外を好きになったことがないから、紫苑以外を好きになる方法がわからないとかも言ってたのを聞いたことがある。



ビビるくらい一途だ。






「俺は前からあの女は嫌いだけどな」



「確かに紫苑のことぞんざいに扱いすぎな気もするよな」






俺の言葉に太一も同調してきた。


太一は滅多に人を嫌いだとか言わないタイプだから余程嫌なのだろう。





そもそもあのメンヘラ女は
避妊してたのに妊娠したとか
付き合ってみるとわがままだったとか
子供の面倒見ないとか

やばい要素だらけ。






「紫苑は優しすぎんだよ馬鹿だな」






紫苑は根っから優しくて純粋で
1度決めたことは曲げない。

だからこそあんな女でもきっと一生涯かけて守ろうとしてる。




そんな優しさを無下にするようなやつなんかが紫苑の嫁なんて俺は認めたくはない。






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