俺がしあわせにします
こんなこと立ち聞きしてるってわかったら、それはそれでどうかと思われるかもしれないけど、でもそんなこともういい!

待つって決めたけど、無理。
今の和奏さんの思いをこれ以上進められたら、ほんとに何も言えなくなりそうで。

俺は、二人に向かって一歩踏み出した。

「俺は、過去なんか気にしません」

俺の声に、二人が振り返った。

「倉科くん・・・」

「倉科」

そして、いつかのように、和奏さんと椎名さんの声はシンクロして、俺の耳に届いた。
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