俺がしあわせにします
え?

「俺は違ったよ」

「え?」

「俺が欲しかった答えは、付き合うとか付き合えないとかそんなことじゃない」

「じゃあ、なに・・・を」

「何ものにも囚われない自由な本当の気持ち。それしかいらなかったよ」

何ものにも囚われない自由な本当の気持ち・・・

それは俺が知りたいと思ってた和奏さんの本音ということだ。
俺の告白をかわした本当の気持ち。

さっき泣きそうになりながら否定したときの気持ち。

「椎名さん」

「俺が咲葉に告白したとき、あいつには大好きな彼氏がいたんだ。でも終わりだなんて、全然考えなかった。試合終了の笛が鳴るまで、何回でもシュートは打てるんだぜ、知らなかったか?」

最後、椎名さんは頬を緩めて、からかうように俺を見た。
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