はやく俺のモノになればいいのに
ユキさんといると自分が自分じゃないみたい。


私はこんなに欲深い人間だったのかと思い知る。


この関係を確認するのが怖いのは

もしも"重い"と突き放されてしまったときのことを考えてしまうから。


「モモ」
「はい!」
「ほんと。モモは、かわいーね」


苦しい

今すぐ言ってしまいたい。

本音をぶつけたい。


「こっちにおいで」


だけど――――言えない。


「つかまえた」


うしろから、包み込まれる。
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