はやく俺のモノになればいいのに
ああ、そうか。


そのとき誰かに目撃されて、実柑に伝わったのだろう。


噂というものは、こんなにも、あっという間に広がるんだなあ。


それもデートなんて……。


待てよ。

周りから、ユキさんと私、カップルに見えたってこと?


それはちょっとうれしい。


「送ってもらったって、家に来たの? 御幸先輩が?」
「バス停までだよ!?」
「デートは」
「してない」
「じゃあ、あの話はデマか」


……アノハナシ?


「抱き合ってた――とか聞いたんだけど」


――っ!!


「モモに限って、いきなりそんなコトにはならないよね~」
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