幻惑
 
「来週からは、翼君と一緒だね。」

私は、翼を見る。

頷く翼の 熱い瞳に安心して。

翼の腕に寄り添う。
 
初めて父に逆らう不安に、時々 押し潰されそうになるから。

父の事を忘れて、翼だけを見るように。
 
 
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