幻惑
「また電話してもいい?」と翼に聞かれて
 
「もちろん。来週も飲む?」と私から言ってしまう。

翼は、熱い目で頷く。そして
 
「握手してくれる?」と言って、手を差し出す。

私の胸は、熱く高鳴る。

そっと翼の手を握った時、翼に全てを許したい自分を、私は感じていた。
 
 
< 37 / 263 >

この作品をシェア

pagetop