白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
言い方がキツイ虎兄だけど
☆桃華side☆


 朝4時半。

 早朝稽古の時間。


 今日はお父さんがいないから
 今から虎兄と二人でランニング。


「おい桃。
 お前のせいで
 早朝ランニングが10キロから
 15キロになったじゃねえか」


「しかたがないじゃん。
 私がTODOMEKI(トドメキ)の姫になる
 条件が
 稽古を厳しくすることなんだから」


「お前の朝練に付き合う
 俺の身にもなってみろよ」


 アキレス腱を伸ばしながら
 私に敵意むき出しの虎兄。


「それにしても
 桃って、マジでアホだよな」


「は? いきなり何よ!」


「くだらない理由で
 TODOMEKIの姫になるなんてさ」


「くだらない理由って……」


「だって、十環と一緒にいたいからって
 理由なんだろ?」


「何よ!
 私がトドメキに入る理由なんて
 虎兄には関係ないでしょ!!

 もしかして……
 虎兄も、TODOMEKIに入りたいとか?」
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