触れたい、できない



「……ちょっと待ってほんとに…校内で迷うのは……」




いい加減、自分が嫌になってくるからやめて…




私は深呼吸をして、1度落ち着く。



_えっと、まず行くとしたらどこだ?



万屋の気持ちになって考えてみると…普通は保健室に行くよね。



体調不良扱いなら単位も落とさないし、好都合なはず。



っよし!保健室、行ってみよう!








…………うん、どこか分かんない!




「もー!私のバカ!」




私は急いで、校内図があったはずの1階にかけ下りる。




…ええっと、あれ?保健室あった!



ラッキーな事に、校内図に向かう通り道に保健室があった。



「万屋!いますか?!」




私は保健室のドアを開ける前から叫ぶ。




もう体より先に口が動いちゃうよ!




_ガチャっ




気を使って、ちょっと丁寧にドアを開ける私。




そんな私を目を丸くして見た保健室の先生は、その顔のままある方向を指さした。




「…よ、万屋くんならそこにいますよ?」



< 33 / 53 >

この作品をシェア

pagetop