ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
4日目のお話
「キャハハハハハ」





ドアの向こうから笑い声が聞こえる。



「またきてる……」



手に持ったシュークリームの箱に力が入る。

……今日は帰ろうかな。




建物を出るとすぐ横に小さな公園とベンチがあった。


座って箱をあける。



「美味しそう…」


一口頬張ると甘いカスタードが口いっぱいに広がる。


もう一口いこうとした時、





「あの!」


「!!!???」




彼がいた。



「え?!なんで?」



「こっちのセリフ…いつも同じ時間にくるから…」


彼はこっちをみて指を指した。



「それ。シュークリーム」

「ん?」


「俺の分、食べないでね」


そう言って隣に座る。





あの子は?

帰ったの?

なんで来てくれたの?


聞きたいことは沢山あるけど、彼の幸せそうな顔を見たらどうでもよくなった。
< 115 / 115 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:13

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop