天国で会えたなら
私は菜々。26歳くらい、、、になってるはず。
なんで知らないのって?
実は私、
21歳の春、交通事故で死んでしまったから。
今はなんだか、時計だけがあるひろーーい空間にふわふわ浮かんでる。死んでからどんだけいるかなんて分からない。

天国に行けるって思ってたんだけど、
突然の死すぎて、魂に未練が残って彷徨ってる状態らしい。

心あたりはもちろんありすぎる、、。
家族にもペットのチャチャにも友達にも逢いたい。とか、4月から念願の職業につけたはずなのに!とかねっ。

それともう一つ。
私には2年付き合っていた彼氏の心哉がいた。彼は優しくて、いつも私のクセを真似して笑う人だった。

私が死んで彼はどう思った?
今はなにしてるの?
どんな社会人になったの?

急に涙がこみ上げてきた。
もう一度、もう一度だけ心哉に会いたい
そんな事思ったって無理なんだけどね。

「そんなに悲しそうな顔してどうしたの?」
突然声が聞こえた
「、、、だれ?!」
今まで1人だと思っていた空間に1人の男の子が立っていた。

「名前なんてないよ。僕は死んで彷徨ってる人達を成仏させる事をしてるんだ。」

そんな人がいたんだ、、、。

「君は林菜々ちゃんだね。
未練を断ち切らない限り、天国には行けない
よ?」

「それは知ってる。でも未練をなくすなんて、急に死んだ身から言わせてもらうとですね!?もう一回生きかえってやりたい事やって夢叶えてとかさせてもらわないと無理だから!」

私は妬みも込めて冗談まじりで言ってみた。

するととんでもない言葉が…
「実は、生きてた世界に戻る方法があるって知ってた?」

え、、、?
「死んだはずの私が生き返れる方法があるって事??」

「そう!!死んだ歳と同じ歳で戻れて、友達に会えたり遊んだり、恋愛したり、夢叶えたりする事だってできるよ!!」


「私、生き返りたい!生きてた世界に戻って心哉に会いたい‼︎」

「うん。いいよ?ただし条件はあるけどね」


「条件?」

「そっ!姿も別人にして、名前はん〜。そうだなぁ。日本人の女の子でしょ?澪ちゃんにしよう!林菜々とは全く関係のない人間として生きてもらうよ。」

「それって、、友達も家族も、心哉も誰も知らない人って事?」

「もちろん。だって何年も前に死んだ林菜々が生きてたらおかしな事になるでしょ?」

「分かった。早く生きてる世界に戻して!」

「まだ話は終わってないよ。本当は、林菜々だって事を誰か1人にでもバレたら澪として生き返った存在事態を消す。つまり、関わった人達全ての記憶から澪を消すからね。」

「、、、分かった。」


「よし!契約成立だ!無事、成仏できるように存分に楽しんでおいでっ‼︎」
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