one more chance
用心棒
「急にゴメンなさい、私大宮サキて言います!
実は私の家将棋教室をしているんですが、最近タチの悪い地上げ屋に居座られてて他のお客さんが怖がって入れないんです。

その地上げ屋に一人凄く将棋の強い人がいて、その人が自分より強い奴が来ない限り毎日居座るて言ってるんです」


「…警察に相談したら?」


「もうしました、だけどお金を払ってる限りはただの客だしそこで暴れたりしない限りは捕まえられないて言われたんです」


「…オレよりもっと強いプロの人いるよ、将棋連盟に頼んだら?」


「…だって普通に頼んでもこんな用心棒みたいな仕事断られるでしょ?」



その通りだなと思った、でもオレ本当のプロじゃないんだけどな…


「お願いします、一回、一局だけでいいんです!!」


その真剣な表情に断ることも、プロでないことも言えなかった、
そしてなかば強引に将棋教室まで連れて行かれた。

(まぁ引退記念にこんなのもいいか…)

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