幼なじみの彼とわたし
「ねぇ、森田さんが気になってるの。何とかして?お願い!!」

フォークを置き、両手を合わせてお願いのポーズをしている。
何とかって。


「…え?」

「え?じゃなくて、森田さん!わたし、アイツと別れてかなり凹んでて、もうしばらくは恋はムリかなぁと思ってたんだけど」


アイツとは、三年以上つきあって最近フラれたという元カレだ。


「うん」

「この前会ったときからどうも気になっちゃって」

亜衣紗、お願い!と、目を輝かせながらにっこり笑ってくる。


「何とかして、って、何したらいいの?」

そりゃ、千尋の頼みだから何とかできるものならしてあげたい。


「うーん…」

「てか、森田さんに千尋の連絡先教えてもよければ教えるけど?そしたら、ふたりで連絡とれるじゃん」


我ながらいいアイデア!

と思ったのに。


「は?そんなことできるわけないでしょ?いきなりふたりなんてムリ!ムリムリムリムリ!」


でも、わたしを入れて三人でお出掛けや食事っていうのも微妙だなぁ。
明らかにわたしひとり邪魔だし。

なんでいるの?
空気読めないなぁ。
ふたりで話したいのに。
って思われないかなぁと、ついつい考えてしまう。

あと最低ひとり声かけないと。
バランス的に男の人がいいのかなぁ。
そうすると、とても限られてくる。
三人の共通の知人なんていないんだから。
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