幼なじみの彼とわたし
「やっぱり年下はダメですか?」

「いや、年齢は関係ないんだけど。わたし、好きな人がいるから…」

「その人とつきあってるんですか?」

佐原くんも食い下がってくる。


「ううん、つきあってはないんだけど…」

「じゃあ、俺は問題ないです」


は?
問題ないって…?


「彼氏さんいるんなら諦めますけど、好きな人なら大丈夫です。徐々にでも僕のこと好きになってもらえるようにがんばりますから」


いや、こっちが大丈夫じゃないんです…


「うん、気持ちは本当に嬉しいんだけど。でも、ごめんなさい」

わたしもしっかりと頭をさげてお断りする。


「わかりました。でも、僕、諦めませんから」

そう言って、彼は戻って行った。


はぁ、なんか疲れた。。。
すぐに部屋に戻る気もしなくて、休憩スペースのイスにへなへなと座り込む。

どれくらい座っていただろうか。
休憩スペースのドアが開いて人が入ってくる。


わたしも帰ろうかな、と立ち上がり入れ違いに出ようとすると、「亜衣?」と言う声がした。


「遥ちゃん?」


入ってきたのは遥ちゃんだった。


「亜衣、何してるの?」

「ん?ちょっとクールダウン?頭を落ち着かせてるの。遥ちゃんは?」

「あ、亜衣と一緒に帰ろうと思って」


え?
今までうちに来るときにも一緒に帰ったことなかったのに。
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