幼なじみの彼とわたし
「あ、ごめん。わたし、デートの邪魔だよね?嬉しい報告聞けたから帰るね」

おしぼりで目元を簡単に拭いてバッグを持って帰ろうとするとーー。


「何言ってんの!?報告はこれでおしまい。今度は亜衣紗の報告でしょうが」


あれ?
さっきまでまぶしすぎる笑顔だった千尋が真顔に戻っている。


「ごめんね、千尋から亜衣紗ちゃんとその幼なじみくんのこと、ちょっと…っていうか、一通り聞いてるんだよね。男の立場から何かアドバイス…って言ったら偉そうだけど、一緒に考えれたらなと思うんだけど」


森田さん!!
いい人すぎる!!


「千尋、いい人見つけたね」

また涙が出そうだ。


「見つけたというか、釣ったのはのは亜衣紗だけどね。で?遥平くんとはどうなってんのよ?」


釣ったって…。


「千尋に報告してる通りだけど…」

と、前置きしたあと簡単に説明する。
一緒に帰ること、泊まる日があることなど。


「で?どんなかんじ?」

「とくに何も…」


今までどおりで、とくにかわったことは言ってない…はず。


「はぁ?まだ何も言ってないの?」

驚いてビクッとしてしまう。
千尋の表情がますます険しくなる。
どんだけヘタレなのよ、と言ってる声が聞こえたような。。。
それを森田さんが「ちょっと落ちついて」となだめている。

もう長年つれそったカップル感が出てるなぁなんて思ったりして。


「あ、うん。なかなか勇気出なくて」

「亜衣紗じゃない!」

「へ?」

「なんでもない。独り言」
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