幼なじみの彼とわたし
2月
二月の半ばの金曜日。


わたしの誕生日を迎え、今日は遥ちゃんがお祝いしてくれることになり、高級そうなレストランに連れてってくれた。

なんだかんだお互いの誕生日は祝ってきていたけど、付き合うことになってからは初めて。


「亜衣、お誕生日おめでとう」

「ありがとう」


大好きな人が祝ってくれるってこんなに嬉しいものなんだね。


「これ、誕生日プレゼント」


デザートのケーキが出てきたところで、遥ちゃんは小さな箱を渡してくれた。
開けてみるとピアスが入っている。


かわいいー!


「遥ちゃんありがとう」


ピアスをひとつ手にとり、自分の右耳のところに持っていって遥ちゃんの顔を見る。


「うん、似合ってる」


その笑顔がまた嬉しくて。
遥ちゃんをさらに好きになったのを自覚する。


その帰り。


「このあと俺の家でいい?」


いつもうちが多いから、遥ちゃんの家に行くのはクリスマスぶりかな。
返事はもちろんOKだ。


タクシーを拾うときも乗ってからも、わたしの右手は遥ちゃん繋がれたままだ。
とくに何かを話すわけでもなく、ただふたりならんで座っている。
窓の外を見ていても正面を見ていても、どの角度から見てもやっぱりかっこいい。


「見すぎだから」


顔を近づけて小声で言ってくる。
バレてたみたい。


「あ、ごめん。だって遥ちゃんかっこいいんだもん。かっこいいなぁー、好きだなぁーって思ったら、目が離せなくなっちゃった。わたしほんとに幸せ。ありがとう」


いつもは面と向かってそんなこと言わないんだけど。
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