幼なじみの彼とわたし
「いや、俺からすると尊敬しかないよ。俺はお前を応援することしかできないけどな」

「ありがとうな、話を聞いてくれて。俺も遥平と亜衣紗ちゃんを応援してるから」

「おう」

それで話はかわった。
最後別れ際に悠希が思い出したように言う。


「そういえば、亜衣紗ちゃん、指輪8号みたいだから。参考にして。じゃあな」

手をふりながら満足げに笑って帰っていった。
ふっと笑いがこぼれる。
めっちゃいいヤツじゃないか、悠希。


その場で悠希にLINE をする。

『俺も勇気出してみるわ。今日はありがとう』


いつでもプロポーズできるようにと、すぐに指輪を準備した。
今までは他力本願だったけど、これだけは自分で。

そんな中亜衣の誕生日が来て、レストランでお祝いをした。


「亜衣、お誕生日おめでとう」

「ありがとう」

嬉しそうにしてくれる亜衣はとてもかわいい。
プレゼントのピアスも気に入ってくれたようだ。


お会計の前に亜衣がお手洗いに行ったから、その間にスマホに目をおとす。
悠希からLINE 。
タップしてみると『プロポーズ成功した』の文字と喜びのスタンプ。


よかったな、悠希。
俺も悠希にあやかりたい。
よし、今日が決戦日だな。


そんな俺の決意には気づきもせず、亜衣は

「かっこいいなぁー、好きだなぁーって思ったら、目が離せなくなっちゃった。わたしほんとに幸せ」

なんて言うから。


タクシーの中ではさすがに我慢したが、部屋に入ると我慢できなくなって、がっついてしまった。


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