幼なじみの彼とわたし
スーパーにつくと、予算におさまるよう計算しながら、いずみんとお肉に魚介、野菜などをかごに入れていく。

男性陣は男性陣で飲み物を選んでいる様子。
アルコールの缶を次から次へとかごに入れていっているのが見えた。


「けっこう買ったねぇー!!」
「ほんと、食べきれるかなぁ」
「ってか、これすんごい重い」
「運ぶことまで考えてなかったねー」


店内はカートがあるから気づかなかったけど、七人分の食材はけっこうな重さだ。
多めに買ったしね。
飲み物七人分の男性陣はもっと重そうだ。

よし、運ぶか、と気合いをいれていると。


「何のために4人で買い出しに来たと思ってる?」
「俺たちが運ぶから、女子ふたりはこれ持って」


これ、というのが箱におさまらなかったものが少量だけ入っているレジ袋。


「いや、悪いよ」と言ってはみるけど、かと言って「じゃあ、これ運べる?」と聞かれたら自信はない。
重さに耐えきれず転けている自分や、中のものがぶちまけられる様子が頭の中に浮かんでくる。


「亜衣。こういうときは、ありがとうって任せてくれたら嬉しい」


荷物をもって少し前を歩いていた遥ちゃんが振り向きながら言ってくれる。

そうだよね、うん、そうだ。


「ありがとう、遥ちゃん。あ、加藤くんも」

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