幼なじみの彼とわたし
「で、遥ちゃんの理想のプロポーズは?」


遥ちゃんはプロポーズについて考えたことあるのかなぁ。
どんなのが理想なんだろう。
思いきって聞いたのに。


「相手にもよるかな。そんなの今すぐにはわからないだろ。そのときになってみないと」

ちょっと意地悪な顔してる。


「えー、ずるーい!!やっぱり教えてくれないんじゃん!!」

「ごめんごめん。…あ、涙止まってる。よかった。俺、昔から亜衣の涙に弱いんだよな」

「それはどうもスミマセン」


ペコッと頭を下げると、ははっという笑い声が聞こえてきた。
その顔を見て、わたし、遥ちゃんの笑顔好きだなぁと改めて思う。
ついさっき、意地悪!と思ったのに。

遥ちゃんを見ると、ん?という顔で見てくる。

慌てて視線もそらして時計を見ると、日付が変わっていたことに気づく。


「ごめん、遥ちゃん、遅くなっちゃった。わたし帰るね。ゆっくり休んで」

「ん。送っていく」


わたしの頭に手をのせてぽんぽんしたあと車のキーを取りに行った。

遥ちゃんがわたしの部屋に泊まることはないし、わたしも遥ちゃんの部屋に泊まることはない。
車で送ってもらって部屋に入ると、そのままベッドに行き爆睡したのだった。
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