幼なじみの彼とわたし
「なんでフラれたって?どうやったら話の流れでフラれることになるんだ?亜衣は何て?」


俺にしてはできるだけ落ち着いている風を装いながらも、珍しく捲し立てるように守本に聞いてしまう。
その様子に守本も一瞬驚いた顔をしたが、またおもしろそうに笑い始めた。


「ちょ、ちょっと待てって!そんなこと俺に聞いても知らねぇし。高森さん本人に聞けばいいじゃん?幼なじみなんだし」

モーリーは面白そうに笑っている。


「…そうだよな」

守本の言う通りだ。
亜衣に聞けば何でも教えてくれるだろう。
それを俺は冷静に聞けるだろうか。


「西本さ、俺の結婚式のときに俺の嫁さんの友達に囲まれたらしいじゃん。結婚式のあとにも嫁さんのところにポツポツ来てるらしいよ、連絡先教えてって。西本は本当モテるのにさ」

「見た目でモテても嬉しくないけどな」

「なのに、西本でも高森さんのこととなると焦るんだな。なんかいいもん見たわ」

「うるさい」


まだ面白がっている。
俺は面白くない。


もうハンバーグの味なんてどうでもいい。
今日は亜衣の家に行こう。


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