カッコウ Ⅱ
2ヶ月近く、哲也の家で生活した大翔。

少しずつ運んだ荷物は結構な量で。

自転車の後ろに括り付けて家に戻る。
 


「おっ。家出息子が帰ってきたよ。」

庭に水を撒いていた祖父は、大翔を見て嬉しそうに笑った。
 
「祖父ちゃん、ただいま。」

大翔も照れた笑顔になる。

母と悠翔は出かけた後だった。

祖父の声を聞いて、外に出てきた祖母は
 

「随分、長い喧嘩だったね。もう気がすんだの?」

と大翔に聞いた。
 
「まだ、完璧じゃないけど。俺がいないと祖父ちゃんと祖母ちゃん、寂しいでしょう。」

と大翔が言うと、祖母はニコニコと微笑み、祖父は自転車の荷物を運んでくれた。
 


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