カッコウ Ⅱ
大翔 2
翌週の木曜日、大翔と正典は大宮駅に立っていた。
 
「2回ともここで見かけたんだ。」

正典が言う場所で二人はまわりを見回す。

6時少し前の連絡通路は、学生や仕事帰りの人々で溢れている。

大翔は今朝、みどりの服装をチェックしていた。
 
「ベージュのブラウスに花柄のスカートだから。」

と正典に言って、大翔も目を凝らす。

大翔達が見張りはじめて15分くらい経った時、
 
「やばい。来た。」と大翔は言う。

みどりは一人で改札口に向かって歩いて行く。
 
「どこ、どこ。あっ、一人だ。」

正典と二人でみどりに背を向ける大翔。

みどりはそのまま改札を通って行った。
 


< 26 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop