カッコウ Ⅱ
逃げ出したい、とみどりは思っていた。

大翔に話すことを考えると恐怖で体が震えた。

もう今までと同じには暮らせない。

大翔はみどりを許さないだろう。
 


重い足取りでホームを歩くみどりは、大翔が受けた傷を思いやれなかった。

大翔に責められることが怖くて。

大翔が両親に話してしまうことが怖くて。


10年前、大翔のことを孝明が知った時と同じように。
 


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