カッコウ Ⅱ
「でも非常事態だよ。聞くだけ聞いてみたら。ヒロ君、あんなに会いたがっているんだもの。会えたら救われるかもしれないよ。」

由美は大翔を不憫に思っていた。

一生懸命堪えている大翔。

心配かけないように普通に振舞っている大翔。

まだ高校生なのに。
 


「そうだな。思い切って連絡してみるか。」

哲也は頷く。さっき大翔が

『お父さんも辛かったよね』と言ったから。

大翔は誰のことも責めていない。

自分の気持ちのやり場に困っているだけ。
 


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