私の仮恋人は親友のお兄さん

素顔と演技

電車に乗り
最寄り駅で降りた

自宅までの道のりは
いつも自転車だけど

今日は廉人さんの
車で移動してたから

駅からは歩いて帰った

本当なら
約束した通り

廉人さんのマンションに行くのだろうけど

鍵を持っているわけじゃないし

やっぱり寝る場所は
家がいい

私は20分ほど歩いて
自宅のマンションに到着した

「おい」

肩を叩かれた

「はい…」

恐る恐る振り向くと
そこには怖い顔で
煙草を吸っている
廉人さんが
立っていた

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