夏色メモリー【完】
7月20日



ーークラスメートの川藤くんだ。


夏休み初日。


自宅近くの駅から電車に乗り込むと、川藤くんが、座席に腰掛けていた。


ドアが開いた瞬間、お互いに目が合った。


あちらも、私に気付いたようで、お互いに会釈をした。


私が電車に乗り込んだその場で立ち往生していると、川藤くんが、手招きをして、自分の席の隣を指差した。


川藤眞浩(かわとうまひろ)くん。


2年間一緒のクラスだが、話したのはノート提出や、時間割変更など業務事項のみだと思う。

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