太陽 ~出会い~
1章  1人ぼっち
私の求めていた光


どんな小さい光でも


私にとっては


優しく温かいものだったんだ


どんな小さい光でも


私にとっては


“自分”を映し出している


そんな光に見えたんだ



―――10年前


「唯、これからはあの子達とずーっと仲良くするんだよ?いい?」

「…うん」

「…いい子ね…じゃあ、ね。元気にするのよ」

「お父さんもお母さんも来ないの?」

「ごめんね」


それきりだった。

私は施設に置いていかれて。

5歳の時だった。

両親との思い出はそれしか覚えてない。

正直、5歳の私でも悟っていなかったわけじゃない。

置いていかれた。  1人にされた。

そんな気持ちくらい、あった。

でも泣かなかった。

寂しくなかった。


――どうせ、生まれる時も死ぬ時も1人なんだから。


うさぎのぬいぐるみを抱えながら、私は両親

が見えなくなるまで見ていた。

両親がホッと胸を撫で下ろしながら早足で

私の視界から消えた。

その時はちょうど8月、ひまわりが咲いてた。


私は友達は出来たし馴染めたけど。

全然楽しい思い出とかないし。

何か意地悪されても叱られても全然涙が出なかった。

正直、生きているうちに2,3回しか泣いたことがない。



そして、時をさかのぼり、現在―――

15歳となった私は、5歳の頃から変わらない。

笑顔も作り笑顔、涙もホント出ないし。

学校でもうまくやってるけど。

何かもう…疲れてきちゃったんだ。


   死んじゃいたい

去年の8月、私は自殺しようとタオルで首を絞めたけど。

見られちゃった。施設の先生に。

そんで、随分怒られて。

「もうやらないから。」って言って

許してもらったけど。

病気にでもならないかなって思う。

そんで、さっさと死んじゃいたい。

だって、そうでしょ?

結局、親に捨てられた子供なんて

これっぽっちも必要とされてないんだ。

そんな自分が悔しかった。




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