太陽 ~出会い~

亜美の事情

その笑顔がやけに哀しい感じで。ついつい聞いてしまった。

「…まだ、不登校なの?」

「へ?あ、うん…ってか、もうずーーっと行かないよ」

そう…亜美はずっと前の中1から、不登校だ。理由は、わからない。教えてくれない。同じ中学じゃないから、余計わからなくって。

「私は…行ってるよ、学校。私の学校に来たら?」

私は日向に助けられて学校に行けたから、次は私が亜美を学校に行かせてあげたかった。

「ははっ…私だってそうしたいよ…けどね。あそこの学校で無理だったら、どこ行っても一緒だよ?」

「そんなことない!!理由はわかんないけどさ、どこの学校も一緒じゃないよ!!それに私だっているんだしさ?」

「無理なものは無理なの。理由を聞いたら絶対同情すると思うよ」

じゃあね。そう言って亜美は廊下の奥に消えた。

「亜美…」私はしばらく奥を見つめて、施設を出た。

亜美はショートボブでちょっと茶髪の、美人。それに頭だって良いし、可愛いし、で。

それなのに、何で行きたくなくなるかなぁ。私にはまったくわからない。

だからイジメとかでは、なさそうなんだよね。友達だっていると思うし…。

私が同情しちゃうくらいって…どんなんだろ…。

あ゛~わかんない!!

そんなことを考えてるうちに、学校に着いた。

「唯ィ~おっはよ~ん♪」

「唯、おはよ★」

「愛、美加!おはよう!」

「何~?元気ないじゃん?」

「ホント。大丈夫?悩んでるんなら相談のるよ?」

「あ、大丈夫だよ。ありがとう」

「んじゃ、学校行こぉー」

「うん」

学校で、私が施設に住んでいるということを知っているのは、この2人と先生しかいない。けど…このことはあんまり言いたくなかった。


「ただいまぁーー」

「おかえり、唯ちゃん。丁度電話きてるんだけど…唯ちゃんかしらね」

「え?誰からですか?」

「三田川施設よ。今朝施設に行った?」

「えっ?!はい!!かわってください!!」

「あ、はいどうぞ。」

「もしもし?!」

『もしもし…今朝の子?』

「はいっ!!どうなされたんですか?」

『実は…』
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