ナルシス
「パパはお仕事だから。仕方ないよ。」

小学生になった夕璃は早起きで。

徹は夕璃の登校前に起きられなくなってしまう。



一緒に過ごせるのは、朝の時間だけだったのに。

でも小さな夕璃はそう言ってくれた。


一度も責めずに。もっと甘えたかったのに。



甘えていたのは自分の方だ。

小さな夕璃の寂しさに気付かず。



たまに会うと笑顔を見せてくれた夕璃に。
 
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