保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
繋がないで

ブー。

『来週、空いてる日ある?』

あの動物園の日からあっという間に2週間たったある日。

夏休みの宿題と動画アプリの視聴を往復していたら、夏目くんからそんなメッセージが届いた。

『ないです』

即答してふたたびシャーペンを持つ。

ブー。

『返信速いね。俺のこと好きなの?』

ふんっ。

既読無視をしてそのまま宿題を再開しようとしたら、さらにスマホが震えた。

『今度、瑠々の誕生日プレゼント買いに行きたくて』

『郁田さんが選んだって聞いたら絶対喜ぶと思うと思うし』

そんなメッセージのあとに、可愛らしい猫がうるうるした瞳でおねがいのポーズをしてるスタンプが送られてきた。

「うっ、」

瑠々ちゃん、誕生日なんだ……。

この間、大泣きされたまま帰っちゃったからな……。

またちゃんと会いたいって気持ちはすごいある。


私からも何かプレゼントしたいし……。


うぅ……。


悔しいけれど。

『瑠々ちゃんのためだからね』

そう返信ボタンを押した。
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