保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

目を見開いて私の名前を呼んだのは、爽やか系イケメンと名高い、女子から圧倒的人気がある夏目 涼々(なつめ すず)くん。

なんで夏目くんがここに?

っていうか、なんで私の名前知ってるの?

クラスが一緒になったことはないし、いつも夏目くんを囲う人たちと関わったこともない。

成績優秀、品行方正。

ザ・完璧男子と言いたくなるほど、ルックスも性格もどこにも欠点がないと有名な彼。

そりゃ生きてる次元が全然違うと思っていたから、名前を覚えてもらえてることがだいぶ衝撃。

「あの……」

ブーッ、ブーッ。

やっと出た私の声は、夏目くんのポケットから聞こえたバイブ音にかき消された。

「……えっ、まじか」

スマホ画面を見た夏目くんは、そう呟いて少しの間それを見つめたまま。

一体どうしたんだろう。
< 3 / 335 >

この作品をシェア

pagetop