保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「夏目くんと同じクラスの子から聞いたんだけどね、夏目くんっていつも体育の授業受けていないみたいなの」

「え!!そうなの?なんで?真面目な爽やかイケメンと思ってたけどまさかのサボり?!」

前のめりになって聞く光莉。

「噂では『心臓が弱いんじゃないか』って」

「心臓が弱い?!」

出た。

夏目くんが積み上げてきた『いい人』って印象は、

本人がなにも言わなくても勝手に都合のいい噂話が勝手に作り上げられるんだ。

一瞬私も、そうなのかなって思っちゃったし。
恐るべし夏目仮面。

私なんてなにもしてないのに『二股』だもんね。
なにこの違い。

「本人から直接聞いたわけではないんだけど、夏目くんだけ体育の時間はいつも教室で一人課題してるんだって。先生たちもそれを認めてるから、もしかしたらって」

「あ、それなら私見たことあるかも。授業中トイレ行った時、夏目くんが教室で一人黙々と机に向かってて。今思えば確かに、あの時の夏目くんの横顔、どこか悔しそうな切なそうな顔してたかも」

なんて同じくバレー部の百合(ゆり)ちゃんもそういう。

絶対、キラキラフィルターかかってるよそれ。
< 45 / 335 >

この作品をシェア

pagetop