あの空に手を伸ばして
10年後




「先生、さようなら」

「さようなら」


かわいい子供たちがわたしの横を通り過ぎる。

そのたびにしっかり挨拶をしてくれるいい子たち。



あれから、10年たった。

16歳だったわたしは26歳に。



そして小学校の先生になった。


まだまだ新米で、今年からやっと担任をもつことになっててんやわんやの毎日だ。


でも、やっぱり楽しい。

子供たちが必死に理解しようとしてくれて、勉強を頑張ってる姿をみるとあの頃を思い出す。


徹くんに勉強をびしばし教えるサクとたかしくんがいて、そんな徹くんを必死に励ます忠くんと翠くんがいて、それをわたしは遠くから眺めている。



どんなに年月がすぎても、色あせることのない大切な思い出。




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