あの空に手を伸ばして


「ねえ、お母さん」

「ん?どうしたの?」

「今日、帰り遅くなっても、いい?」

「22時までじゃ、無理なの?」

「うん・・今日ね、流星群がみえるらしくて、だから出かけるのも夜になっちゃう」

「そう」


お母さんの顔をみることができなかった。

このあとに続くのはきっと「だめ」って言葉。

やっぱりいけないって連絡しないとな。


「美咲も高校生だものね。思い出も大事だし、いっておいで」

でも、お母さんからの言葉はあまりにも優しい言葉だった。

「え、いいの?だって学校に入る条件が・・」

「あはは。美咲だってそれをわかってて聞いてきたんでしょ?よっぽど行きたいんなら仕方ないわ。美咲の高校生活は今しかないものね」

「・・ありがとう」

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