あの空に手を伸ばして

「これでよかった？」

そういって差し出されたのはつぶつぶ果実いりのミカンジュースだった。

「6月に自販機前であったとき、美咲それ買ってたから。好きなのかなって思って」

流星群のときといい、どうしてなにも興味なさそうにしてみえるのにそういうところはみてるの？


「うん・・好き。ありがとう」

好きが溢れちゃうよ。この好きはミカンジュースの好き。

でもね、サクのことも好き。大好き。

それなのに、さっき徹くんがいった言葉がわたしの頭の中で再生される。



「あと、これあげる」

「？」

そういって差し出されたのは星のキーホルダーだった。

「この前あげたのはいつか消えちゃうかもしれないけど、これは消えないから。美咲の夢も希望も未来も、なにも消えない」

そういわれた瞬間、今まで耐えていた涙が一気に流れ落ちた。