女王様の言うとおり
「他の学校ではすでに女王がいるってこと?」


ヒナが落ち着いた声でそう言った。


「その可能性はあるよな」


「それなら、どうして問題になってないの? 奏や大山君みたいな事例があれば、絶対に問題になってるよね?」


あたしは早口に質問する。


すると柊真は一旦口を開き、そのままなにも言わずに閉じてしまった。


なにかとても言いにくい考えがあるみたいだ。


「柊真が考えていることを教えて?」


そう言うと、柊真は重たい口を開いた。


「問題にならない理由はひとつしかない」


柊真はそこで一旦口を閉じた。


そして、あたしとヒナをジッと見つめる。


「学校にいる全員が感染して。その家族や近辺にもすでに感染が進んでいるからだ。全員が感染していれば、それが当たり前になって、いちいち問題視することはなくなる」


柊真の説明にあたしのヒナも絶句してしまった。
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