Bitter Sweet
夜、学年団の先生方と来たのは、主任行きつけの居酒屋。


カウンター席じゃなく、畳で座れる席でジョッキの生ビールで乾杯をする。


これからの予定とか生徒の印象とかプライベートな話もした。


かなり盛り上がって、酔ってる先生も出てきて、もうお開きしましょうか、という副主任の一声で解散となった。


帰りに全く酔ってない絵梨花と私はもう一軒別の居酒屋に行って飲むことにした。


私と絵梨花はお酒に強い。


絵梨花は何杯目かわかんなくなるほど生ビールを飲む。


「あー、先生達酔うの早すぎ!」


「違う、私達が強すぎるの、私もチューハイ何杯かわかんないほど飲んでるもん」


「あはっは、そうだね、もう10時になるのに」


「絵梨花、彼氏から電話来てるよ、もう酔った?」



「違う、雄大(ゆうだい)、束縛が激しくて結構困ってるの」


「そうなの?大学生の時はそんなことないと思ったけど」


絵梨花は大学生の時から清水 雄大(しみず ゆうだい) と付き合っている。


「咲良は鈍感すぎるから分かんなかっただけだよ!男とメール禁止、男と食事会とかする時は事前に場所と何時に終わるかとか事前に言わなきゃいけないし、今同居しているから10時までに帰らないとメールとか電話くるの!それが私にとってはつらいの、よくいままで耐えてきたと思う、自画自賛したいわ」


「それはつらいね〜、でも付き合ってるんだから連絡のひとつはしたら?私と2人でご飯食べに行ってるって送ればいいんじゃない?」


「そうだね、送る」


「咲良は彼氏作らないの?」


「彼氏か〜、恋愛しばらくしてないなぁ〜」


私は高校2年生の時に同級生と付き合った。
本当にその人が好きで大学進学してもずっと一緒にいるって決めていた。でも、高3の時に浮気されて別れて、失恋してしまい、あまりにも辛くてしばらく恋はいいや!と考えていた。


それから5年。


もう未練なんてないし、恋してもいいのかな〜と思い始めていた。


「そろそろ恋してもいいのかも」


「好きだと思ったらアタック!アピール!それ大事よ!」


「わかった、絵梨花も清水くんと上手くいくんだよ」


「やばい、メール20件も来てる、もう帰らないとやばい」


「そうだね、明日も仕事だし、バイバイ!」
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