ノクターン
「近くに “ガラスの森美術館 ” があるから寄ってみようか。」
星の王子さまミュージアムを出ると 智くんは言った。
ガラスの森美術館も素敵な空間で。
そこで智くんは、ペアのグラスを買ってくれた。
「麻有ちゃんの部屋で使おうね。」
それは、ベネチアングラス風のカットと装飾を施した 青と赤のペアグラス。
とても素敵だけれど、お値段もそれなりに高価で。
「洗うの緊張しちゃう。」
と言う私を 智くんは愛おしそうに見つめた。
どちらの美術館も 途中でお茶を飲んだりしながら ゆっくりと見学したので、ガラスの森美術館を出る頃には うっすらと日が暮れはじめていた。
「明日は、ロープウエイに乗るよ。」
と言って、私達はホテルに向かった。