ノクターン

「明日は、いよいよ軽井沢か。ちょっと緊張するなあ。」

私を送る車の中で 智くんは言う。
 
「私、智くんのご両親に こんなに良くしてもらっているのよ。ウチの親も 智くんに感謝するわ。」


車の中で、智くんは私の手を握っている。昨夜から離れている私達は 手を繋ぐだけでも 熱くなってしまう。


智くんは途中、公園の脇の広い道に車を停めると 私を抱き寄せてキスをする。

何度も、繰り返し。

ようやく体を話して 見つめ合う私達の瞳は まだ潤んだままだった。
 


「明日の朝は、9時に来るね。」
 
「ありがとう。智くん、気をつけてね。」



私は智くんの車が 見えなくなるまで 見送った。

 
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