えっ?私が男装女子になるなんて!

お姉さんは、少し驚いた様だった。何となく判るけどね。だって私の髪は真っ黒の腰までの艶々ロングだからね。

 大学生になってからは、髪にはかなり拘っていて今の髪の状態は自分でもかなりのお気に入りだったの。でも、もう良い私は変わりたいの!!何だか気分も変にハイになって来たし!これでいく!!


「色もこれで、髪型もこれにして下さい」

「でも、これ宣伝の写真で2.5次元ミュージカルの俳優よ。男の子だけどいいの?」

「はい!お願いします」

「できるけど……色抜いてアッシュグレーにして長めのアシンメトリー系になるわよ。パーマは?この写真では、軽く掛けてるけど……そうねぇ。普段は軽く流したり、アイロン等で外ハネにしたり遊べるから、パーマはしない方がいいかもね」

「それでお願いします」

「本当に切っていいの?後悔しない?私も普段なら聞かないんだけど、貴女の髪は手間掛かってるよね。綺麗で大切にされて来た感あるから……」

「大丈夫です。バッサリ行ってください」

「そう……なら切るわね。すっごくかっこいい女の子にしてあげるわ。今、男装女子って居るしね。確か近くにもそんな感じのカフェかバーがあった様な気がするわ。じゃあ!お姉さんに任せといて」

「はい。宜しくお願いします」


私はさっきまでの落ち込みが嘘の様にウキウキして来た。髪をバッサリ切るのはテンション上がるみたい。今は過去は忘れて新しい未来を探してみよう。


「タブレットでそのまま雑誌でもアプリでも色々あるから観ててね。時間掛かっちゃうから」


私は初めて2.5次元ミュージカルをガッツリ見てしまった。何だろう新しい世界が開いちゃったかも……
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop