屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 熱くないか? 」
「 ふぁー…
リュウジは 寒くない? 」
「 寒くないよ よしOK、頭完了 」
「 今度は私が洗ってあげる! 」
「 ――― お 任せた 」
シャワーのある洗い場に俺と
銀色の浴槽の中にあずる
「 お耳を塞いでくださーい 」
定員二名でいっぱいになってしまう
タイル敷きの小さな風呂場
笑い声と
床を叩く水音
「 あずる
顔真っ赤になってるから一度出て来い 」
「 タコみたい? 」
「 … だから
顔真似するなって何度 ―― 」
「 ぅおおお!のーびーるー! 」
暮らし始めたばかりの頃
よくこうやって、一緒に風呂に入った
でも今は
ただくすぐったがって
水遊びでもしているみたいに
無邪気に笑っていた、あの頃とは違う
あずるも
―――― 俺も
「 座らないと、髪流せないよリュ… 」