密室でふたり、イケナイコト。


「行ってきます……」

今日から7月。


梅雨が明けて、晴れ晴れとした朝のはずなのに、心の中は雨が降ってる。

特訓の期限もあと数日。

今日は仕事がない日だから、いつもだったら
放課後何しようかと、今からウキウキ気分なのに。

今日は成宮もオフのはずだから、いやでも放課後顔を合わせなきゃいけない。

ああ、嫌だなぁ……

せっかく自分の気持ちに気づいたのに、こんなにも後ろ向きだなんて……

好きな人といる時間が幸せだって世間では言われてるけど、わたしにはつらいだけ。

「お母さん、学校休んでもいい?」


声優の演技力をフルに使って、病人のフリをしたけれど……

我ながら、バカだなぁ……自分。

「姉ちゃんは、頭がもはや手遅れなんだから、休んだって無駄でしょ」

「はぁぁぁーーー!!??」

横から割り込んできたクソ生意気な侑。

頭が手遅れって、あんた、わたしをなんだと思ってるの!!?

「って、あっ……」

「………」

「………」


バカでかい声を出してしまったせいで、お母さんにジト目で見られる始末。

ううっ、そんな目で見なくても!!


「行ってらっしゃい」


うわーーーん!!!

侑のバカーーーー!!!!

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