密室でふたり、イケナイコト。

途端にたくさんの女子様方がわたしをギロっと睨む。


こ、ここ、ここわすぎる…っ!!!



なにこの視線の数!?



「くん…」



取ってつけたそれは、小さい声になってしまう。



「なに?片瀬…さん?」



え、そこ普通に喋んの!?


周りの子たちも驚いて目を丸くして固まっている。

何も言わないと思って、用件だけ言って退散しようとしてたのに!


てか、こいつぅぅぅぅ…!!!



無表情なくせして、内心絶対おもしろがってる!!!


「い、委員会のことで話があるから、放課後来て欲しいって担任が…」



「分かった」



そして何事もなかったように返事すると、耳にイヤホンをぶっさして、机に伏せてしまう。



けど、わたしは見逃さなかった。



突っ伏す直前に、こちらを見て口角を上げたことを。

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